お見舞いと鉢植えの花

 

親しい日本人お友達が入院しました。お見舞いにお花を持っていこうと思っていますが、鉢植えはやめた方がいいといわれました。どうしてですか。

(フランソワ/ フランス)

けがや病気 のお見舞いに、鉢植えの花を持っていくことを避ける日本人は多いようです。理由は簡単。鉢植えの植物には根がついていますね。つまり、根つき (根つく)というわけなのです。「根つく」という語は、(病気で) 寝込んでしまうことを指す「寝つく」ということばと同音異義語です。そこで、縁起がが悪いと考えられてきたのでしょう。

 

もちろん、これは迷信(めいしん)ですから、まったく気にしない人もたくさんいます。しかし、病気の時は、だれでもいつもより弱気(よわき)で、神経質に なりがちなものです。また、こうした縁起かづぎは、気にしないつもりでいても、なんとなく心にひっかかるもの。鉢植えの花が大好きで、絶対に喜んでもらえ る、と確信(かくしん)できる。とても親しい相手に贈る場合以外は、避けたほうが無難だとう思いますよ。

それに、華やかな切り花の方が病室をパッと明るくする効果がありますし、退院の時には荷物にならずにすみます。せっかく自分の健康が回復したのに、生命力のある鉢植え植物を処分(しょぶん)するなんて、ちょっと気がすすみませんものね。

 

参考文献: 日本語ジャーナル(1988)、110ページ~111ページ

パトナー

表彰状

書籍出版